2032年に小惑星が地球に衝突!? SNSで話題になった“2024 YR4”の真実

2025年初頭、SNSやネットニュースで「2032年に隕石が地球に衝突するかもしれない」という話題が広がりました。

特に「NASAが警告」「確率1.5%の衝突リスク」といったセンセーショナルな情報が不安を呼びました。

この記事では、小惑星“2024 YR4”に関する事実を、信頼できる情報源と時系列に沿って、わかりやすく解説します。

2032年、小惑星衝突の可能性は？NASAの最終見解

まず最も気になるのは、本当に小惑星が地球に衝突するのかという点です。最新の専門機関の発表から確認していきましょう。

2025年2月末、NASAおよびIAWN（国際小惑星警報ネットワーク）は、「2032年における地球衝突の可能性はほぼゼロ」との正式な見解を発表しました。

最新の軌道解析によれば、“2024 YR4”の地球衝突確率は0.0011％まで低下しており、天文学的には「衝突しない」と判断できる水準です。

ここでは、話題となった“2024 YR4”がどのような小惑星なのか、基本情報を整理します。

“2024 YR4”は、2024年12月に発見された小惑星です。

大きさは直径10〜50メートル程度と推定されており、小惑星としては中規模のサイズです。

この小惑星は地球に比較的接近する軌道を持っており、最も接近するとされるのが2032年12月22日です。

一時的に「潜在的に危険な小惑星（PHA）」に分類されました。

どのようにして「隕石衝突説」が生まれ、広がっていったのかを見ていきましょう。

“2024 YR4”が話題となったきっかけは、2025年初頭に一部メディアが報じた「衝突確率1.5%」という数字でした。

これは発見直後の初期観測に基づく仮の数値で、軌道がまだ不確定だった段階のものです。

このセンセーショナルな数字がSNSで急速に拡散された結果、「地球滅亡」や「NASAが警告」などのキーワードが飛び交い、過度な不安が広まりました。

騒動ののち、科学者たちはどのように軌道を修正し、最終的なリスクを評価したのでしょうか。

騒動を受けて、国立天文台のすばる望遠鏡をはじめとする各国の天文機関が“2024 YR4”の追観測を実施しました。観測データをもとに、軌道の再計算が行われました。

IAWNやNASAの研究機関は、蓄積されたデータをもとに軌道解析を繰り返し、初期の衝突リスクを大幅に見直しました。

その結果、2032年の地球衝突リスクは実質的に解消されたとされています。

最後に、今後同様の話題に接した際、どのように情報と向き合うべきかを確認しておきましょう。

天文関連のニュースは、不確かな情報が拡散されやすい分野です。

NASA、国立天文台、IAWNなどの公式機関の発表を優先的に確認することが重要です。

初期段階の情報には不確実性があるため、最新の発表や追観測の結果を待って冷静に判断することが求められます。

科学は常に更新されるという前提で情報を受け取る姿勢が必要です。