『彼方のアストラ』はなぜ炎上・打ち切りと言われたのか?理由を徹底解説!

宇宙をテーマにした作品

『彼方のアストラ』は、篠原健太氏によるSFサバイバル漫画で、アニメ化もされ高い評価を受けた作品です。
しかし、ネット上では「打ち切りだったのでは?」「展開が急すぎる」といった声も見られます。

この記事では、彼方のアストラが打ち切り・炎上になったといわれる理由について、わかりやすく解説します。

『彼方のアストラ』が打ち切りになったと言われる理由とは?

『彼方のアストラ』は、実際には打ち切りではなく、作者の構想通りに完結した作品です。

それでも「打ち切りっぽい」と感じた読者が一定数いたのには、いくつかの理由があります。

実際は“打ち切り”ではなく全5巻で完結

引用:集英社

まず大前提として、『彼方のアストラ』は全5巻・全49話での完結が最初から予定されていた作品です。

篠原健太氏自身も、ジャンププラスでの連載当初から「短期集中連載のつもりで描いていた」と公言しています。

また、物語としても伏線が丁寧に回収されており、ストーリーの途中で終わったような印象はありません

「打ち切り」と言われた原因は展開の速さと売上初動の鈍さ

読者の一部が「打ち切りっぽい」と感じた理由には、展開のスピード感が挙げられます。

中盤から終盤にかけて謎解きや伏線回収が一気に進み、「もっと読みたかったのに終わってしまった」という印象を残したためです。

さらに、連載初期は話題性や売上がやや低調だったため、ジャンプ本誌掲載を逃した過去や短期連載という形式から、「人気がなくて終わった」と誤解されがちでした。

作者・篠原健太氏のコメントから見る完結の意図

作者の篠原氏はインタビューなどで、「5巻という構成でやり切ることを最初から決めていた」と語っています。

もともと長期連載を想定せず、伏線とミステリー性を詰め込んだ“濃い物語”を短くまとめることが狙いだったと考えられます。

その証拠に、全巻通してストーリーにブレはなく、最終話までテンポよくまとめられているのが特徴です。

マンガ大賞2019を受賞したことからも、完成度の高さが評価されていることがわかります。

『彼方のアストラ』はなぜ炎上したのか?

『彼方のアストラ』は、全体として高評価を受けた作品ですが、一部では「炎上した」と語られる場面もありました。

ただし、ここでいう“炎上”は、大規模なバッシングではなく、ネット上の議論や指摘が話題になった程度です。

「11人いる!」との類似指摘によるパクリ疑惑

委員用:小学館コミック

最も大きな話題となったのが、萩尾望都の名作SF『11人いる!』との“設定の類似”です。

どちらの作品も、「宇宙空間で人数が1人多い状況」「正体不明の何者かがいる」というサバイバル・ミステリー構造をもっており、この点が“オマージュでは?”“パクリでは?”と議論を呼びました。

ただし、作者・篠原健太氏はこの件について特に明言しておらず、公式なコメントや謝罪などもありません。

作品全体の構成や伏線の量を考慮すれば、影響を受けたとしても独自の物語に昇華されていると見るのが妥当です。

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伏線の多さに対する“SF警察”からの指摘

もう一つの炎上要素とされたのが、SF的な整合性についての指摘です。

「そんな技術は無理がある」「ご都合主義がすぎる」といった声が、SF好きの一部層から“SF警察”として投稿され、SNSなどで軽い炎上状態になった時期がありました。

ただし、これらの指摘も創作の範囲内であり、多くの読者は「細かいことより物語の面白さが勝つ」と評価しており、大炎上には至っていません。

ネットでの意見は賛否が真っ二つに分かれた

結局のところ、『彼方のアストラ』に対する“炎上”とは、

  • 既存作品との類似性
  • SF考証の甘さ
  • 展開の早さ

といったポイントに反応した一部読者の声が拡散されたものであり、大規模な炎上や打ち切り騒動とは異なるものでした。

むしろ、それらを含めて議論されるだけの注目度と話題性があったとも言えるでしょう。

伏線がすごい!『彼方のアストラ』の構成力とは?

『彼方のアストラ』が高く評価された最大の理由は、物語全体に張り巡らされた伏線の巧みさにあります。

一見すると普通のサバイバルSFのようでいて、読み返すと「こんなところに伏線が!?」という驚きが次々に現れます。

序盤から仕込まれていた伏線の回収まとめ【ネタバレあり】

※この項目ではストーリーの重大なネタバレを含みます。

物語冒頭で宇宙に放り出される生徒たちは「偶然」のように見えますが、すでにその段階からいくつもの伏線が張られていました

例を挙げると:

  • 参加メンバー全員が“特別な事情”を抱えていたこと
    → 全員がクローンだったという衝撃の事実への布石。
  • アリエスが記憶力抜群という設定
    → 彼女が見ていた“文字の揺れ”が本物でなかったことの伏線。
  • カナタが左腕を失っていたことへの言及
    → 最終盤で彼が“宇宙船の中で右腕を失う”展開とリンク。

こうした細部がすべて終盤で綺麗に繋がっていく構成に、多くの読者が「これは伏線の教科書」と称賛しました。

「地球ってなんだ?」ラストのどんでん返し解説

物語の終盤で明かされるのが、「彼方のアストラ」の舞台が実は“旧地球”ではなく、新たに人類が移住した“惑星アストラ”であるという衝撃の真実です。

つまり、彼らが“元いた星”と思っていた場所が、実は別の星だった──という壮大なスケールの世界観の裏返しが展開されるのです。

この「地球=伝説上の星」という設定は、SF好きにも刺さるギミックであり、読者の「そういうことだったのか…!」という驚きを誘います。

読み返すとわかる“やばい”伏線の妙

1回目の読了時にはスルーしてしまったセリフや表情も、2回目に読むと全部“意味があった”ことに気づける構成になっています。

  • アリエスの「誰も見てない…はずなのに」の目線
  • ウルガーの警戒心
  • ザックとキトリーの関係性
  • 父親たちの妙な距離感

これらはすべて、クローン・政府の陰謀・入れ替わり計画とリンクしていて、まさに“回収率100%の伏線設計”。

この緻密な構成力が、『彼方のアストラ』を「面白い」だけでなく、「やばい」とまで言わせる理由のひとつです。

矛盾やご都合主義はある?リアリティ検証

『彼方のアストラ』は伏線やストーリー展開に定評のある作品ですが、一部の読者からは「リアリティに欠ける」「矛盾してない?」という声も上がりました

ここでは、その指摘を整理しつつ、作品の評価とのバランスを見ていきます。

設定上の矛盾と感じられるポイント

いくつかのシーンでは、SF設定として「?」と思われる部分があります。たとえば:

  • クローン技術が社会に浸透していないのに、主要人物全員がクローンという非現実性
  • 多種多様な惑星を、ほぼ補給なしで次々に移動できる点
  • アリエスの目の描写(文字の“揺れ”)に対する演出が曖昧だったという指摘

これらは厳密な科学的SFを期待する層から見ると「甘い」と捉えられるかもしれません

サバイバル描写・ワープ技術のご都合感はある?

サバイバル作品として見た場合も、

  • 食料や酸素の確保
  • 宇宙船の損傷と修理対応
  • ワープ機能の性能・再使用性

などについて「ご都合主義では?」という声があります。

ただしこれは、「サバイバルのリアリズム」よりも、「少年漫画的なテンポと謎解き要素」を重視しているためであり、作者もそこを“描写しすぎないことでテンポを守っている”ようにも感じられます。

それでも評価される“勢い”と読後感

そうした設定の粗さを含めても、読者の多くは「それを上回るほど物語に引き込まれた」と感じています

  • 謎が明かされていくテンポの良さ
  • キャラ同士の関係性の熱さ
  • 感動的なラストと一貫したメッセージ性

これらが、設定の“甘さ”を帳消しにするほどの没入感を生んでおり、結果的に「面白かった」「勢いで読ませてくれた」という高評価に繋がっているのです。

まとめ:『彼方のアストラ』は短編SFの傑作。伏線と感動をもう一度

『彼方のアストラ』は、「打ち切り」という誤解を受けながらも、実際は作者が練り上げた全5巻完結の構成作品です。

“炎上”とされる議論も一部にはありましたが、その多くは作品の話題性や伏線の濃さに起因するものでした。

伏線の張り方、キャラクターたちの背景、そしてクローンや地球の真実──

何気ないセリフやシーンがすべて後につながっていく、まさに「読み返すほどにやばい」名作です。

もし未読の方がいたら、ぜひ一度読んでみてください

そして、読んだことのある人も、2周目の驚きと発見をぜひ楽しんでほしい作品です。

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