【2025年最新】宇宙のはじまりとは?ビッグバンについてわかりやすく解説

宇宙知識

私たちが住んでいる広大な宇宙。「宇宙のはじまりは何なのだろう」と、疑問を持つ方も多いでしょう。

宇宙は約138億年前、何もない空間からビッグバンが起こり、時間や空間、そして星々が生まれたとされています。

本記事では、ビッグバンとはなにか、どのようにして宇宙が広がっていったのか、そして最新の研究で明らかになった新しい宇宙の姿について、わかりやすく解説します。

「宇宙はビッグバンで生まれた」が最も有力な宇宙論

宇宙は約138億年前に起きた「ビッグバン」という大爆発から生まれた、という説が最も有力です。

「ビッグバン」が起きた瞬間に、時間や空間、そして私たちが知るすべての物質が誕生したとされています。

時間も空間もビッグバンから生まれた

時間や空間でさえも、ビッグバンが起きるまでは存在していなかったといわれています。宇宙はまさに「何もない状態」から、突然のエネルギー爆発で生まれ、時間が動き出し、空間が広がり始めました。

「ビッグバン」以前の宇宙は、極限まで高温で高密度の「一点」。この点が一瞬のうちに膨張を始め、宇宙のすべての基盤が作られました。この膨張は現在も続いており、今も宇宙は広がり続けています。

身近なもので想像するのなら、真っ暗な空間に突然小さな風船が現れ、それが瞬時に膨らみ始めるようなものでしょうか。その風船の中に、宇宙を構成するエネルギーや物質のすべてが詰まっていたのです。

ビッグバンが138億年前に起きたことは「宇宙背景放射」の観測で発見

宇宙が約138億年前に生まれたといわれる所以は、「宇宙背景放射」と呼ばれる、人類が観測できる最も古い光の観測結果からです。

この光は、宇宙誕生から約38万年後に放たれたもので、当時の高温だった宇宙の名残と考えられています。宇宙が膨張し続けた結果、この光は約3K(-270℃)の微弱なマイクロ波として地球に届いています。

この光を詳しく分析することで、科学者たちは宇宙の年齢を計算し、約138億年前に宇宙が誕生したことや、宇宙にははじまりがあるという「ビッグバン宇宙論」を確固としたのです。

ビッグバンはなぜ起きたのか

具体的に何がビッグバンを引き起こしたのかについては、現在も研究が続けられています。

現在は「インフレーション」と呼ばれる急激な膨張によって、ビッグバンを引き起こしたと考えられています。

【インフレーション理論】~宇宙の急激な膨張により、膨大な熱エネルギーを放出した~

ビッグバンは「インフレーション理論」によって、説明されています。

「インフレーション理論」は、真空のエネルギーの解放により、指数関数的に宇宙が膨張した、という説です。

「インフレーション理論」によると、宇宙は誕生直後の極めて短い時間(10⁻³⁵秒ほど)に、真空のエネルギーが急激な膨張を引き起こし、膨大な熱エネルギーが生まれたことで、ビッグバンが起きたとされています。

「真空エネルギー」の相転移が熱エネルギーを生み、ビッグバンを起こした

「なぜ、無の状態から膨張という現象が起こるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。

宇宙のはじまりを説明する「インフレーション理論」では、宇宙が生まれる前の「無」のように見える状態に、実は「エネルギー」が潜んでいたと考えます。

物理学における真空とは、完全に何もない空間ではなく、「真空エネルギー」と呼ばれるエネルギーが満ちている状態です。真空は見た目には静かに見えますが、実際には粒子と反粒子が生成と消滅を繰り返している非常にダイナミックな状態なのです。

宇宙誕生時には、この真空エネルギーに「相転移」という現象が起こったとされます。相転移とは、物質が液体から固体へ変わるように、エネルギー状態が変化することを指します。

宇宙誕生時に高エネルギー状態だった真空が、より安定した低エネルギー状態に移行したことで、余った膨大なエネルギーが解放され、ビッグバンが起きたとされています。

「宇宙のはじまり」の最新の発見について

宇宙は約138億年前に誕生したとされていますが、最近の研究では、この年齢がさらに古い可能性があるとする新しい仮説が登場しました。

宇宙の年齢は138億年よりもっと古いかもしれない

2023年7月、オタワ大学の研究チームは、宇宙は約138億年前ではなく、約267億年前に誕生した可能性を示す新しい理論を発表しました。

ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡が、宇宙誕生直後の銀河を観測したジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、宇宙誕生直後に形成された銀河を観測。宇宙が誕生してわずか数億年後に存在した銀河を捉えたことで、宇宙初期における星や銀河の形成が、従来考えられていた時期よりも早く始まっている可能性が生まれました。

この仮説は、既存のビッグバン理論に「疲れた光仮説」と「結合定数が時間とともに変化する仮設」という新しい2つの仮設を組み込んだ提唱になっています。

疲れた光仮説
疲れた光仮説とは、光が宇宙空間で長い距離を移動するうちにエネルギーを失い、波長が伸びる(赤方偏移する)という仮説です。つまり、光の赤方偏移が宇宙の膨張によるものではなく、光そのもののエネルギー損失によるものだと考えます。この仮説に基づけば、現在の「ビッグバン論」や「インフレーション理論」で導き出した宇宙年齢とは、異なる結論が導き出される可能性があります。

結合定数が時間とともに変化する仮説
結合定数とは、物理学で自然の基本的な力(重力や電磁気力など)を決める値のこと。新理論では、宇宙の初期にこれらの定数が現在と異なっていた可能性を提唱しています。

これらの新仮説や観測結果は、宇宙の年齢や進化に関する議論を大きく進めるものです。今後の研究が、宇宙のはじまりに関する謎をどこまで解明するのか、期待が高まっています。

宇宙のはじまりを知ることは「自分たちの起源」を知ること

宇宙のはじまりを知ることは、地球や生命がどのように誕生したのかを理解する手がかりになります。

宇宙の歴史を知ることは、私たちの存在の背景を知ることにほかなりません。

さらに、宇宙のはじまりを探る研究は、地球外生命の可能性や、他の星系での生命誕生の条件についてもヒントを与えてくれます。

宇宙を知ることは、私たちがどこから来て、どこへ向かおうとしているのかを考えるきっかけになるのです。

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